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2024年12月05日
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概要

2018年07月22日
2018年夏に、学園のメンバーが七不思議を語る本を出そうと計画しています。
現在、ひとり1話の怪談・不思議な話を担当してくださる、計6名(第1話~6話)の執筆者様を募集しております。
(プロローグ及び7話めは私が担当させていただきます)

小説、漫画は問いません。ページ数も自由。サイズはA5です。
ボルテ学園らしい怪談話を是非彼らと一緒に語ってください。

なお、執筆のお礼は現物をもってかえさせていただきます。(170901追記)

語りの例はトップの「170723DEMO」の雷刀をご参照ください。

語ってくれるメンバーは基本的には執筆者様に決めていただきたく思います。
が、いくつか制限がございます。

第1話:赤志魂(七不思議の会の発案者。メンバーを招集した。進行役)
第2話:フリー枠
第3話:フリー枠
第4話:フリー枠
第5話:フリー枠
第6話:フリー枠
第7話:嬬武器雷刀(デモ版とは少し違うオチの話をします。後味は悪め)

・学園の生徒であること
・生徒であれば初等部~大学部のいずれの歳でも構いません

以上になります。

執筆してくださるという方は、企画TwitterへDM、もしくは
nonomegmeg★gmail.com(★→@)へわかりやすい件名でご連絡お願い致します。

ご連絡の際は
1、お名前
2、ご連絡先(音信不通にならないもの)
3、何話目で誰に語らせたいか(先着順)
4、小説or漫画のどちら想定か
他、不明な点などありましたらお気軽にお添えください。

夏を彩る学園の怪談、お待ちしております。

以下に雷刀の第7話初稿を添付しましたのでついでにどうぞ
「ひとならざるもの――まあ、こんな話をしてきて、こんな場で言うんだから、バケモノ、妖怪、幽霊の類いだな。
そいつらは、そう、たとえば。こんな閉ざされた部屋の中に、どうやって入ってくると思う?
幽霊なんだから壁をすり抜けて勝手に? はは、ちげーんだな、これが。
ドアから堂々と入ってくるんだよ。
けど、中にいるヤツが招き入れなければ入って来られない。
無粋にてきとうな場所から勝手に入ってくることは出来ねえのさ。
……なんだよ、みんなしてそんなオバケでも見たような顔して。
え? オレがこんなマジメっぽい話をするのが意外?
心外だな。オレ、こういうのは得意なんだぜ。
まあそう思うのは勝手だけどな。
話を続けよう。
何年も前の話だよ。
一応もう、この校舎はあって、旧校舎は封鎖住みだった頃らしいんだけど。
その頃は魂みたいな天才もいなくて――っておい、そんな大袈裟に照れんなよ。
別に褒めてるわけじゃなくて事実を挙げてるだけなんだから。
ともかく、そういうヤツのいなかった頃。
丁度今のオレたちみたいに、学園の七不思議をやろう、って、話が挙がったんだ。
もっとも、当時なんて、さっきも言ったけど魂や、他にもそうだな……識苑先生みたいなひともいないから、各所にわかりやすいバグが残ってたわけ。
それでも上手いことやってたんだからスゲーよな。今だったら考えらんねーよ。
ともかく、トーゼンあれもこれも、おかしなことはみーんなバグのせいだし、七つに収まりもしない。
それでも、いや、だからこそかもしれない。やってみたかったんだろうな、七不思議。
ま、学校の七不思議、なんて、文字通り学校内で起こった怪奇現象に限られた話だ。卒業しちゃったらもう縁がないからな。
やってみたくなる気持ち、オレはわかるよ。
そういう興味で、七人――この人数はたまたまらしいんだけど、そいつらで頭付き合わせて考えたのさ。
なにが一体その、七不思議ってものに相応しいんだろう、って。
今日のオレらと違うところっていったらそこかな。
オレらは聞いてきた話を七つ――いまはまだ六つだな、を、集めたけど、そいつらはいくつもある中から七つに絞っていったんだ。
そのとき挙がった六つ、全部今日、おまえらが話すんだもんな。オレもさすがにちょっとびっくりしたぜ。
やっぱ当時のそいつらが辿り着いた怪奇現象は、ほんとにバグでもなんでもない、天才の手にかかっても排除しきれない純粋な怪奇だったんだろうな。
いや、すげえよマジで。
でさ、おまえらは学園の怖い話あちこちから集めてきたんだろうけど、他に、もっとこえー話とか聞いた?
聞いた上で自分で選んだ?
はは、そっか。聞いた話をそのまま話しただけ、ね。
ま、そーだよな。
だって他はねーんだもん、聞けるわけねーよ。
そう、七不思議なのに、六つしかねえわけよ。
なんでだと思う?
七つめは触れちゃいけないから誰も知らない?
そもそも七つめがないことが最大の不思議?
そんな話もまあ、どっかのガッコにはあるだろうぜ。
でも、この学園は違う。
七不思議を追っていた連中は、話が七つ揃う前に消えちまったんだよ。

ひとりは、鏡の前で溶けて消えちまったみたいに服だけを残して。
ひとりは、天井に血をインク代わりにしたような足跡を残して。
ひとりは、トイレの壁にそいつそっくりの顔のようなシミを残して。
ひとりは、合宿所に笑い声と足音を残して。
ひとりは、焼却炉に熱で歪んだ校章と眼鏡のフレームを残して。
そしてひとりは、体育館倉庫の入り口前に、引きずられたような血まみれの手形と剥がれた爪を残して……。

……。
…………。
あとひとりはどうしたって?
慌てんなよ、それはこれから話すから。
そいつら六人は、一日のうちに全員揃って消えちまった。
そもそもなんでそんな、厳選した、ホンモノっぽい怪談のあるようなところに行ったんだろうな。わざわざ足を運ばなきゃ、怪異に直接触れることもなかっただろうに。
しかも最後の目撃情報からするに、日が暮れる頃に行ったんじゃないか?
いうなれば、そう――逢魔時に。
ん、ああ、そうだよ。全員、いなくなる直前にどっかしらで目撃されてるんだ。
夕暮れ、放課後の校舎内で。
そのあとはもうだーれも、その六人のことは見ていない。
怖い話でよく挙がる丑の刻と逢魔時だったら、オレは逢魔時のほうがコエーんじゃねーかなって思うんだよ。
だってあまりにも、何もかもが曖昧だ。
たとえば、夕暮れだなんて数字的な決まりのない時間。
たとえば、視界が緩やかに閉ざされていく薄暗闇。
オレらのいるよく見知った世界と、オレらの知らない怪奇な世界との境界すらも曖昧になってもおかしくない。
そんな時間になにをしに行ったのか……もしかしたら、確かめたかったのかもしれないな。
それが本物の怪奇かどうか。
そして、消えてしまった。
ただひとりを残して。
これは今となっては誰にもわかんないんだけどさ、そいつらの中ではあと一個、なにかいい話が挙がってたのかもしれねえな。
残されたそいつはそれを確かめに行ってたのかもしれない。
そうして、それはホンモノではなかったからひとりだけ残された……。
ま、この辺は憶測でしかないんだけど。
だって、消えちまった奴らは、ほんとにどっか、消えちまったんだから。
死体すら残さずに。
一番死んだ、っぽい、焼却炉のヤツもな、残ってたのは校章と眼鏡のフレームだけで、骨やなんかは残ってなかったって話だぜ。
学校で出るゴミなんか燃やす程度の炉の火で、全くなんにも残んねーほど綺麗に焼き付くせるはずなんかねえのにな。
……ひとり残ってるはずなのになんで真実は闇の中か、って話だけどな、残されたひとりは、深夜の真っ暗な旧校舎で階段から足を滑らせて死んじまったんだと。
同じ日の夜にな。
当時すでにそこは封鎖されていた旧校舎だったからな、当然電気なんて通ってないし、場所も、窓はあったみたいなんだけど月明かりなんてさっぱり、みたいなところだったらしいぜ。
昼まですら薄暗いところだって話だ。
ろくに見えない上にバグだらけで、元々足場も悪かったのかもな。
足を踏み外して、階段を真っ逆さま。
そうして、七人全員がいなくなっちまったってわけ。
だから、誰もそいつらがなんでそんなところに行ってたのか知らないし、そいつらになにがあったのか知ることはできなかったんだ。
ところでなんで最後のひとりになったそいつは、そんな時間に校内をうろついていたと思う?
……。
……そう、冷音の言う通り。
捜してたんだよ、他のメンバーを。
たぶん日が暮れ切る頃には全員が消えちまってたんであろう校内を、ひとりで、ずっと。どこ、なあ、どこ。って。
全然見つからないんだから、もしかしてみんな帰ったのかも、とでも考えて、そいつだけでも帰ればよかったのにな。
捜すのは翌日にしよう、って。
でもそうしなかった。
その結果、そいつは階段から足を滑らせて、転がり落ちて……。
翌日、そいつだけはちゃんと見つかったよ。
踊り場で、頭から血を流して冷たくなって転がってるところをな。
最後の目撃情報は新校舎のほうだったから、旧校舎まで捜索が及んだのは夕方になってからだったらしいけど――まあ、そのへんの時間はどうでもいいや。そのときはなんもなかったらしいから。
それから他のヤツらも徹底的に捜索されたんだけど、見つからなかった。
それぞれにそれぞれの持ち物や血痕だけが見つかって、本人たちはどこにもいなかったんだ。
そう、見つかってないんだよ。
階段から落ちたヤツは、深夜、ひとりきりで新校舎から旧校舎まで、ひとりで歩いて仲間を捜すほど馬鹿正直……ああ、いや、律儀なヤツだ。
そんなヤツだからさ……わかるか?
今もまだ、捜してんだよ、そのときのメンバーを。
きっと、自分が死んだことにも気付いてなくて、仲間がもうどこにもいないことも理解できずに。
校内を、ずっと、歩き回っている。
どこ、なあ、どこ。――って。
新校舎も旧校舎も関係なくな。
さて。
オレは最初に、おまえらに聞いたよな。
幽霊はこんな閉ざされた部屋の中に、どうやって入ってくると思う? ってさ。
そしてこうも言った。
中にいるヤツが招き入れなければ入って来られない、ってな。
もうこんな時間だ。夏は日が長いとはいえ、さすがにもう外は真っ暗だな。
ひとを捜しているならきっと、まずは真っ先に灯りを目印にするだろう。
灯りのついている教室を目指して、ぺたり、ぺたり、廊下に上履きの音を響かせて」
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